SONY RX1R III レビュー|旅カメラとして感じた魅力と不満点
- Yamaki Takurou

- 2025年12月27日
- 読了時間: 5分
更新日:5 日前

小型で、画質にも妥協しない日常や旅用のカメラを探している中で登場したのが、RX1R IIIでした。
フルサイズセンサーを搭載しながら、バッテリー込みでも約498g。フルサイズ機としては最軽量クラスのボディです。

実際に手にすると、その小ささと軽さは想像以上。日常使いの小さなバッグに入れてもかさばらず、気負わず持ち出せる。持ち出すハードルの低さだけでも、このカメラを選ぶ理由としては十分だと感じます。
作例と使用感
実際に旅先へ持ち出して撮影した作例を交えながら、RX1R IIIの使い心地を見ていきます。
約6100万画素という高画素センサーを搭載したRX1R III。まずは、その情報量を活かせる被写体として、高所からの風景を撮影しました。街並みの密度感、遠くの山の稜線、時間帯によって変わる光の表情。高解像度でありながら、輪郭を強調しすぎない描写は、RX1シリーズらしさを感じさせます。

解像感というよりも、空気や光の雰囲気をどう写すか。そのバランスの良さこそが、このレンズの魅力だと感じました。

F2開放で撮影していますが、ボケは控えめで素直な印象です。被写体を浮かせすぎず、背景との距離感を保った描写は、旅先の記録としてちょうどいいバランスだと感じました。ボディが小さく目立ちにくいことに加え、レンズシャッターによる静かな作動音も相まって、カフェや室内でも周囲を気にせず撮影できる点は、旅カメラとして大きな魅力です。

クリエイティブルックの表現力

クリエイティブルックに新たに「FL2」「FL3」が追加されました。中でも、使用頻度が高かったのが「FL3」です。全体のコントラストと彩度をやや抑えたルックで、特に空や海といった寒色系が派手になりすぎず、深みのあるトーンにまとまります。シネマルックに近い印象で、個人的には非常に好みの色味でした。
撮って出しでこのトーンが得られるのは、旅先では大きなメリットです。ここからは、クリエイティブルックで撮影した作例を中心に紹介します。
AF性能の進化と実用性

従来機で気になっていたAF性能も大きく改善されています。猫や犬といった動物の瞳AFにも対応しており、旅先で出会った被写体を逃さず捉えてくれます。このカットでも、不意に動く猫に対してスムーズにピントが合い、撮影のテンポを崩さずに済みました。AFを意識せず、構図やタイミングに集中できる点は、旅カメラとして大きな進化だと感じます。

マクロ切り替えで広がる表現

RX1シリーズの特徴として、レンズ先端のマクロ切り替えリングも健在です。リングを回すことで最短撮影距離は約20cmまで短縮され、被写体にぐっと寄った撮影が可能になります。木の表面の質感や細かな凹凸も自然に描写され、スナップの延長でこうした表現ができるのは、とても便利だと感じました。
高画素センサーとレンズの相性

約6100万画素の高画素センサーを活かし、35mm、50mm、70mm相当の画角をワンタッチで切り替えられる「ステップクロップ撮影」に対応しています。単焦点レンズの画角を補ってくれる便利な機能ですが、クロップ時に使われるのはレンズの中央部です。そのため、中央の解像感がどこまで出るのかは、実用面で気になるポイントになります。
高画素化したことで、初代から変わらない設計のレンズがどこまで応えてくれるのか。実際の風景を使って、絞り値ごとの解像感を確認してみました。
F2では、等倍で見ると被写体の輪郭にやや甘さがあります。一方、F4以降ではピント面がしっかりと立ち上がり、高画素センサーらしい解像感が得られました。シャープさだけを見るとGMレンズには及びませんが、このサイズの一体型レンズであることを考えると、十分に健闘している印象です。多少絞ることで、クロップ撮影も安心して使える画質だと感じました。
使って感じた不満点

実際に使っていて気になる点もありました。まず、液晶モニターが固定式であることです。ローアングルでの撮影では画面を確認しづらく、水平を取るのが難しい場面がありました。
旅先やスナップでは、低い位置から構えたいシーンも少なくありません。そのたびに姿勢を大きく崩す必要があり、ここは明確な弱点だと感じます。

もうひとつは、グリップのホールド感です。軽量化のためとはいえグリップはかなり浅く、片手で構えると不安定に感じることがあります。コンパクトさと引き換えに損なわれた部分ではありますが、長時間の撮影やスナップでは、どうしても気になるポイントでした。
まとめ

実際に旅先へ持ち出した印象として、RX1R IIIは「理想的なサイズ感と高い画質を両立したカメラ」でした。軽量で持ち運びやすく、レンズ一体型ならではの完成度の高さはシリーズ同様に健在です。

一方で、使い込むほどに不満点も見えてきます。液晶モニターが固定式であることや、グリップのホールド感の弱さに加え、バッテリー持ちも悪く、1日しっかり撮影するなら最低でも3本は用意しておきたいところです。また、高画素センサーゆえに、高感度撮影ではノイズが気になる場面もありました。

すでにレンズ交換式カメラを持っている方が、描写を楽しむためのサブ機として選ぶのであれば、とても魅力的な一台です。ただし価格面も含めて、万人向けというよりは、用途と価値観がはっきりしたユーザーを選ぶカメラだと思いました。

















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