RX1R IIIからライカQ3 43へ。43mmで見つけたちょうどいい距離感

これまで日常や旅では、ソニーのRX1R IIIをよく使ってきました。気に入っていた一方で、使い続けるうちに35mmが少し広く感じることも増えてきました。
もう少しだけ被写体に寄りたい。でも50mmほど狭くはしたくない。そんなときに手にしたのが、43mmレンズを備えたLeica Q3 43です。今回は細かなスペックではなく、実際に持ち歩きながら感じたことを、撮った写真とともに振り返ります。
持ち出したくなる、Q3 43というカメラ
Q3 43を手にして、まず惹かれたのはその佇まいでした。ボタン類は必要以上に主張せず、正面から見ても背面から見てもすっきりしています。
グレーの張り革とブラックのボディの組み合わせも印象的。クラシカルでありながら、古さを感じさせないデザインです。
カメラは撮るための道具ですが、日常的に持ち歩くなら、手に取りたくなるデザインかどうかも大切です。背面には親指を置ける窪みがあり、片手でも比較的安定して構えられます。
レンズは「ライカ アポ・ズミクロン f2/43mm ASPH.」。レンズリングを回せばマクロモードへ切り替えられ、風景を撮っていた流れのまま、足元の草木や料理にも寄れます。シンプルな操作感も含めて、旅先であれこれ考えずに持ち歩けるカメラです。

人を撮るときにも、ちょうどいい距離

43mmの良さは、人を撮るときに感じました。35mmより少し人物へ意識を向けやすく、それでいて50mmほど距離を取る必要もありません。
家族や友人との旅行なら、会話をしている距離のまま自然にカメラを向けられます。人物だけを切り取るのではなく、その人がいる場所の雰囲気まで一緒に残せる。F2らしいボケも楽しめ、AFも特に意識することなく使えました。旅先で人を撮るには、この近すぎず遠すぎない距離感が使いやすく感じます。
マクロや料理にも、そのまま使える


今回の撮影は、曇りや雨の日が中心でした。
晴天のような分かりやすい鮮やかさはありませんが、曇天の柔らかな光や雨に濡れた木々、少しアンダーに撮った暗部の階調には惹かれるものがありました。

旅先を歩いていて足元の小さなものが気になったら、そのままマクロへ。雨に濡れた草木へ寄ると、細かな質感だけでなく、濡れた緑の深い色も印象的に残りました。

43mmは料理などのテーブルフォトにも使いやすく、料理をしっかり見せながら、周囲の雰囲気も少し残せます。風景、人、草木、料理まで、一台のまま撮り続けられる気軽さもQ3 43の魅力です。

Leica Looksで写真の表情を変える
通常の撮影に加えて、使っていて面白かったのが「Leica Looks」です。「Leica FOTOS」アプリから用意されたルックをカメラへ取り込み、写真の雰囲気を手軽に変えられます。細かな色やトーンを追い込むというより、ルックを選び、適用量を調整するシンプルな仕組み。一から現像するほどではないけれど、少し写真の表情を変えたい。そんなときに気軽に使えます。
Leica Monochrom High Contrast

特に気に入ったのが「Leica Monochrom High Contrast」です。ビル群を撮ると、窓や外壁の直線が強調され、どこか線画のような印象になりました。色がなくなることで建物の形や光と影が前に出てきます。モノクロはあとからトーンを調整し始めると迷うことも多いのですが、このルックはそのままでも好みに近い仕上がりでした。
Leica Eternal
「Leica Eternal」は、赤やマゼンタが印象的に出る鮮やかなルックです。雨の山道で撮った彼岸花とベニテングタケも、Eternalを当てることで赤がぐっと際立ちました。100%では少し強く感じたため、今回は50%ほどで使用。ルックの個性を残しながら、自分の好みに寄せられるのも使いやすいところです。
Leica Chrome

「Leica Chrome」は、Eternalとは対照的に落ち着いたトーン。窓越しに撮ったグランピング施設の円形ドームでは、派手さを抑えた情緒のある仕上がりになりました。鮮やかに見せるというより、その場の光や空気を静かに残したいときに使いたくなるルックです。
43mmで見つけた、ちょうどいい距離感

35mmが少し広いと感じたことから使い始めたQ3 43。実際に撮ってみると、43mmは日常や旅で自分が残したい範囲に自然と馴染みました。
RX1R IIIも今でも好きなカメラです。
どちらが優れているというより、今の自分には、この43mmという距離感がちょうどよかったのだと思います。



コメント